会社にとってなくてはならない福利厚生ですが、自社内で提供する福利厚生と、外部に委託(アウトソーシング)する福利厚生、各種サービスを導入する福利厚生などに分かれています。
世の中にはたくさんの福利厚生サービスがありますが、どのようなジャンルで、どういったサービスがあるのかについてこの記事ではご紹介いたします。
福利厚生サービスの種類

まず理解すべきこととして、福利厚生は、法定福利厚生と、法定外福利厚生に分かれています。
法定福利厚生
法定福利厚生とは法律によって規定されており、定められた条件に合致する場合は必ず行わなければならない福利厚生です。
具体的には以下のものを指します。
- 健康保険料の事業主負担分
- 介護保険料の事業主負担分
- 厚生年金保険料の事業主負担分
- 雇用保険料の事業主負担分
- 労働者災害補償保険料(労災保険料)
- 児童手当拠出金
- 労働基準法に基づく災害補償費用
これらの保険料は、その種類に応じて、企業と従業員が決められた割合ずつ支払うこととなっています。
法定外福利厚生
法定外福利厚生とは、企業が各自の裁量で任意に決められる福利厚生です。
この法定外福利厚生には、自社内で提供する福利厚生と、外部に委託(アウトソーシング)する福利厚生、各種サービスを導入する福利厚生などに分かれています。
これを自社に合わせてデザインし、運用することが、優秀な人材確保や生産性向上、業績拡大につながるとされています。
→福利厚生とは何か、必要性などについては以下の記事で説明しています。
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福利厚生とはなにか、なぜ重要なのか、種類、注意点について
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この記事では、この法定外福利厚生についてさらに詳しく見ていきます。
福利厚生サービスの種類を13ジャンルにわたって紹介!
法定外福利厚生は様々なジャンルに分かれています。
業務に関連することだったり、休暇に関連すること、働き方に関することなど、その種類は多岐にわたっています。
また自社で設計して実施するもの、他社サービスを利活用するものなど、運用方法にも違いがあります。
ここでは、福利厚生サービスが具体的にどのようなジャンルに分かれているか、見ていきましょう。
通勤関連
通勤にかかる交通費の全額または一部を会社が負担する福利厚生
具体的には、
- 通勤手当
- 自転車通勤手当
などがあります。
住宅関連
家賃や住宅ローンなど住宅にかかる費用の全額または一部を会社が負担するなどの福利厚生
具体的には、
- 借り上げ社宅の提供
- 社員寮の提供
- 住宅ローン補助
- 住宅手当(家賃補助)
- 社宅
などがあります。
健康・医療関連
健康診断や人間ドックなどにかかる費用などの全額または一部を会社が負担する福利厚生
具体的には、
- 健康診断(法定以上の項目)
- 人間ドッグ
- 各種相談窓口の設置
- カウンセラーの配属
- ジムやスポーツ活動に対する補助
- 運動施設・保養所利用の割引・補助
- 自転車通勤手当
- 朝食の無料提供
などがあります。
食事関連
社員食堂や、食費に関してかかる費用の全額または一部を会社が負担する福利厚生
具体的には、
- 朝食の無料提供
- 食事補助
- オフィス内食堂、カフェの設置
- ランチや飲み会の費用補助
- オフィス内コンビニ
- お菓子を置く
- 健康に良い食事の提供
- 自動販売機の設置
などがあります。
育児・介護関連
託児施設やベビーシッターを雇うのにかかる費用の全額または一部を会社が負担する福利厚生
具体的には、
- 法定以上の育児・介護休業・子の看護休暇
- 短時間勤務制度
- 男性従業員の育児休暇の充実
- パパ・ママ育児休暇プラス
- 託児・保育施設の設置
- ベビーシッター費用の補助
などがあります。
文化・体育・レクリエーション関連
社員旅行や会社主催の運動会、野球大会文ボーリング大会、社会科見学やスポーツ観戦、忘年会などの福利厚生
具体的には
- 野球観戦シート、社内運動会、スポーツジムの費用補助・負担
- イベント開催費用の補助
- 保養施設の利用
- スポーツ部活動や文化サークル活動の補助
- ランチや飲み会の費用補助
- 運動施設・保養所利用の割引・補助
- 社員旅行
などがあります。
慶弔・災害関連
従業員の結婚や出産などに対してお祝い金を支給したり、従業員とその親族の不幸などに対して慶弔見舞金を会社が支給する福利厚生
具体的には、
- 遺族年金
- 結婚祝い金
- 災害見舞金
- 子供の入学祝い金
- 従業員やその家族の出産祝い金
- 従業員やその家族の死亡時弔慰金
- 従業員やその家族の成人祝い金
などがあります。
財産形成関連
社内での預金制度や会社の株を社員に持たせる持ち株制度などの福利厚生
具体的には、
- 確定給付企業年金制度
- 確定拠出年金制度
- 財形貯蓄制度
- 持株会の実施
- 社内預金制度
などがあります。
職場環境、働き方関連
従業員へのスマートフォン支給や、フリーデスク制度やサテライトオフィスの開設など多様な働き方を支援する福利厚生
具体的には、
- オフィスコンビニ
- オフィス内食堂、カフェの設置
- 自動販売機の設置
- 集中できる個別スペースの設置
- フリーデスク制度
- 在宅勤務、テレワークの導入
- サテライトオフィスの開設
- ワーケーションの導入(サテライトオフィスや保養所の活用も)
- シエスタ制度
- 仮眠室の設置
- マッサージ利用制度
- 従業員間での感謝・貢献ポイントのやり取り
- スマートフォン、ノートパソコンの支給
- ニーズに合わせたスキルアップ研修の実施
- 短時間勤務制度
などがあります。
業務関連
業務に必要な知識を習得するための書籍の購入費用や、資格取得のための講座受講費用、試験費用などの全額もしくは一部を会社が負担する福利厚生
具体的には、
- 能力に合わせたスキルアップ研修の実施
- (業務に関する)eラーニングや通信教育の提供や補助
- (業務に関する)海外研修、経験制度
- (業務に関する)講座、セミナー参加費補助
- (業務に関する)資格取得支援、受験料補助
- (業務に関する)図書購入費補助
などがあります。
自己啓発関連
上記の業務関連とは別に、業務とは直結しない交流会やセミナーなどの自己啓発に対してかかる費用の全額または一部を会社が支給する福利厚生
具体的には、
- キャリアカウンセラーによるキャリアカウンセリング
- (業務に直接関係しない)eラーニングや通信教育の提供や補助
- (業務に直接関係しない)ニーズに合わせたスキルアップ研修の実施
- (業務に直接関係しない)海外研修、経験制度
- (業務に直接関係しない)講座、セミナー参加費補助
- (業務に直接関係しない)資格取得支援、受験料補助
- (業務に直接関係しない)図書購入費補助
- 育自分休暇制度
などがあります。
休暇関連
法で定められた育児休暇や介護休暇を延長したり、自分や子供の誕生日を休みにするなどの福利厚生
具体的には、
- 法定日数以上の育児・介護休業、子の看護休暇
- 法定日数以上の有給休暇
- パパ・ママ育休プラス
- リフレッシュ休暇
- 失恋休暇
- 生理休暇
- 男性従業員の育児休暇の充実
- 育自分休暇制度
などがあります。
その他
制服や給与前払いなどの福利厚生
具体的には、
- 制服の貸与
- 着たくなるようなおしゃれな制服の用意
- 給与前払い制度
- 個人ごとに合わせた給与タイミング(日払い、週払いなど)の設定
などがあります。
最後に
福利厚生サービスの種類についてご紹介しました。
かなり多岐にわたっていることがご理解いただけたと思います。
日々新しいサービスも生まれていますし、
1部の大手企業を除き、上記すべてを導入している企業はまれかもしれません。
また上記以外にも、会社ごとに自社のカラーや理念に合わせて作りこんでおり、他社にはないユニークな制度があったり、福利厚生のカタチは様々です。
重要なのは、自社のビジョンや方向性、欲しい人材、社員に与えたいことなどを考えたうえで、計画的にデザインすることです。
福利厚生ラボでは、今後も魅力的な福利厚生に取り組む企業の紹介や、福利厚生サービスについてご紹介いたします。