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福利厚生とはなにか、なぜ重要なのか、種類、注意点について

福利厚生は、従業員満足度や定着率向上を考える上では絶対外せないポイントの一つ。

この記事では、福利厚生とはなにか、なぜ企業にとって重要なのか、種類、導入する上での注意点について説明します。

福利厚生とはなにか

福利厚生とは、賃金・給与とは別に企業が従業員やその家族に対して用意する施策です。

法で定められた健康保険の事業主負担のような「法定福利厚生」、企業ごとに行うオリジナルなものや、サービスを導入するもの、ソファなどの家具を買うことなどで居心地のいいオフィスを作ることなどの「法定外福利厚生」の2つに分けられます。

就活中の学生が、企業を選ぶポイントの上位に福利厚生を上げていたり、定着率の向上のためにもとても重要です。

居酒屋などで、サラリーマン同士が自社の福利厚生について話している姿も目にすることもありますし、働く人にとって自社の福利厚生というのは興味がある大事なポイントです。

後程説明しますが、福利厚生を見直すだけで、会社の業績が上がる可能性もあります。

以下、福利厚生が企業にとってなぜそれほど重要なのかについて考えます。

福利厚生が企業にとってなぜ重要なのか

福利厚生が企業にとって必要な理由について、以下順番に見ていきます。

選ばれる企業になるため

株式会社リクルートキャリアの研究機関である、就職みらい研究所(https://data.recruitcareer.co.jp/)が2018年12月1日時点で民間企業への就職が確定している大学生を対象に行った、「就職プロセス調査」(https://data.recruitcareer.co.jp/column/20190131001/)の「就職先を確定する際に決め手になった項目」を見てみると、なんと2位に「福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している」という項目が上がっています。

就職みらい研究所 就職プロセス調査より

「会社や業界の安定性」や、「理念やビジョンへの共感」といった項目よりも上位というのは驚きの結果ですね。

つまり、まず良い人材を確保するにも、福利厚生を充実させることはとても有意だということが言えます。

人材採用における福利厚生の重要性については、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。

人材採用における福利厚生の重要性

実は人材採用と福利厚生には、とても密接な関係があります。 優秀な人材をできるだけ多く採用したい、というように思っている会社は、福利厚生を見直すことが有効な戦略と言えます。 人材採用において、福利厚生が ...

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従業員満足度を上げるため

福利厚生が従業員満足度につながるということについては、もはや説明は必要ないかと思います。

従業員満足度が上がると何がいいのか、などについて以下にまとめています。知っていることも多いかと思いますが、ぜひチェックしてください。

従業員満足度を向上させる5つのポイント

従業員満足度の向上は、業績アップには欠かせないものです。 今回は、従業員満足度についてまとめました。 目次 従業員満足度とは企業ビジョンへの共感マネジメントへの納得感自身の仕事が業績や社会に影響を与え ...

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ここで一点申し添えたいのは、会社が押し付ける福利厚生では従業員満足度が上がるとは限らない、ということ。

上記のランキングで福利厚生を抑えて1位なのが、「自らの成長が期待できる」という項目なのを見てわかる通り、最近では自らの成長やキャリアアップ、やりがいといったことを重視する従業員が多く、福利厚生もおざなりのものではなく、成長ややりがいにつながるようなものを導入するのが良いかもしれません。

具体的な例としては、活躍を表彰する制度を作る、業務と直接関係のない資格やセミナーなどへの助成を行う、仕事に集中できる環境を用意する(テレワークやサテライトオフィス、良いオフィスチェアやアロマなども言えますね!)などなど。

これが次の項目にもつながってきます。

業績を上げるため

福利厚生が業績を上げるというのは、どういうことでしょうか。

上でも書きましたが、モチベーションや業務環境を整えることも福利厚生の役目。

心身ともにより良い状態の従業員が、やりがいをもって仕事ができると、生産性があがります。生産性が上がるということは、コストに対しての売り上げが上がるということですので、結果的に業績は上がっていきます。

また定着率が向上することで、採用コストを抑えることもできるため、無駄なコストを削減することができます。

定着率向上についてはとても重要なので、別の記事で説明いたします。

福利厚生の種類

福利厚生の種類を大きく分けると、法で定められた「法定福利厚生」とそれ以外「法定外福利厚生」に分けられることは上述した通りですが、ここではその中でどのような種類があるのかを紹介します。

法定福利厚生

法定福利厚生とは法律によって規定されており、定められた条件に合致する場合は必ず行わなければならないものです。

具体的には以下のものを指します。

  • 健康保険料の事業主負担分
  • 介護保険料の事業主負担分
  • 厚生年金保険料の事業主負担分
  • 雇用保険料の事業主負担分
  • 労働者災害補償保険料(労災保険料)
  • 児童手当拠出金
  • 労働基準法に基づく災害補償費用

これらの保険料は、その種類に応じて、企業と従業員が決められた割合ずつ支払うこととなっています。

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、企業が各自の裁量で任意に決められる福利厚生です。

有名なものとしては、住宅手当(家賃補助)や通勤手当、社員食堂、健康診断の補助などが挙げられます。

この法定外福利厚生には、自社内で提供するものと、外部に委託(アウトソーシング)するもの、各種サービスを導入するものなどに分かれています。

法定外福利厚生にどのような種類やサービスがあるかについては、以下の記事でより具体的に説明します。

【全13ジャンル】福利厚生サービスの種類についてご紹介します。

会社にとってなくてはならない福利厚生ですが、自社内で提供する福利厚生と、外部に委託(アウトソーシング)する福利厚生、各種サービスを導入する福利厚生などに分かれています。 世の中にはたくさんの福利厚生サ ...

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福利厚生を導入する上での注意点

福利厚生を導入する上で注意点ですが、なんでもかんでも導入すればいいというものではないことを最初に理解しておいてください。

いわゆるブラック企業のネタとして出てくる「誰も行きたくない社員旅行」の例を見れば、お金をかければいいというものでもありませんし、逆に必要とあれば投資と捉えて導入をする必要もあるでしょう。

つまり自社のカラーやビジョン、方向性や現状の課題などから考えていく必要があります。

場合によっては人材育成の考え方ともリンクをさせる必要もありますし、時代とともに設計のし直しも必要です。

自社の従業員が今どのように考えているのか、現状の課題分析の一つの手段として、ES調査がとても有効ですので、以下の記事もチェックしてください。)

ES調査とは何か。企業がES調査をするべき理由

ES調査とは何か。また企業がES調査をするべき理由について、今回の記事で紹介します。 目次 ES調査とは何かES調査で何がわかるか基本情報キャリア形成、人材育成人間関係組織風土会社について業務について ...

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福利厚生を自社に合わせて組み立てる方法については、別の記事で詳しく説明しますが、

何も考えないで、導入しては後で困ることにもなりますので、計画的に導入を検討しましょう。

最後に

福利厚生とはなにか、なぜ企業にとって重要なのか、種類、導入する上での注意点について紹介しました。

福利厚生は他の人事施策と同様に、非常に奥が深く、かつ重要なものです。

求職者の目線で考えたときに、同じ業界、同じ給与、同じ職種だった場合に、最後の決め手になる可能性もあります。

福利厚生ナビでは、そんな重要な福利厚生を選ぶうえで最良のパートナーになりたいと思っています。

ぜひ他の記事も参考にして、より良い会社を作る助けにしてください。

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